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むかしむかし1000余年前、現在の塩沢村・伊佐沼と呼ばれる地区は、本当に沼がありました。360年前頃の見取り図により、沼であったことが示されております。
塩沢村の伊佐沼は、もとは居蛇沼と呼ばれており、おろち(大蛇)が生息して居ました。年を経てついに龍と化し、その居蛇沼から岳下村の小伊佐沼とを往来し、付近の田んぼを荒らしていたので、里人は恐れおののき困り果てていました。
そこへ行脚の途中通りかかった、雲水(又は禅僧)さんが、里人の難儀を救う為、秘法ををもってお経を唱え、一心に祈りを捧げて、ついに鉄鉢(現在は木箱)の中に巨大な龍を封じ込めてしまいました。
そのお陰で、それからは沼の水が減り、田となって米が実るようになりました。雲水さんはその鉄鉢の保管を龍泉寺に頼んで、再び諸国行脚の旅に出たそうです。
現在は木箱に納められ龍泉寺に保管され、中には乾いてカラカラになったタツノオトシゴのような物が入っているそうですが、現在までの住職が一度も開けたことが無いので、龍の化身を封じ込めた雲水さんと神のみぞ知るところです。
(二本松市史 第八巻 民俗、二本松の伝説とむかしばなし より抜粋)
歴代殿様の
祈願寺
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